診療案内Medical treatment

Orthopedics 整形外科

01肩・膝の痛み

腰痛とともに誰もが感じやすい「肩の痛み」「膝の痛み」

ふだんの生活の中で、肩や膝に痛みやこりを経験したことのある人も多いのではないでしょうか。腰だけでなく肩や膝もまた、痛みがよく起こりやすい部位です。

肩と膝は腰同様に重要な関節で、これらの関節の複雑な仕組みによって、人は手を自由に動かすことができ、2足歩行することができます。ふだんの生活活動の中でもよく使われる関節であり、酷使してしまっていることもよくあります。

また、肩や膝の痛みは腰痛によって引き起こされる場合もあり、逆に腰が肩や膝の痛みの影響を受けることもあります。

肩・膝の痛み

膝には、大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)<すねの骨>と腓骨(ひこつ)、丸い膝蓋骨(しつがいこつ)<いわゆる膝のお皿>の4つの骨が集まっています。

大腿骨の先端は2つに分かれていて、前では前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)、後ろでは後十字靱帯(こうじゅうじじんたい)がその間に入り込み、大腿骨と脛骨をつないでいます。また、大腿骨と脛骨の間には、線維と軟骨(なんこつ)でできている半月板(はんげつばん)があります。半月板は半月から三日月になるときの月の形をしていて、膝の内側と外側に1枚ずつ並んでいます。一般に「膝関節」とは、これらを総称していう大腿脛骨関節(だいたいけいこつかんせつ)のことです。

関節が円滑に動くために、関節軟骨(かんせつなんこつ)や関節液(かんせつえき)が、機械における潤滑油のような役割を果たします。

膝は体の関節では最も大きな荷重を受ける関節です。歩いたり走ったりすると、膝には体重の5~7倍の力がかかります。また、方向転換などでも膝にはいろいろな方向に力がかかります。膝はまさに二足歩行を支えている関節といえます。

膝の骨の先端は、骨と骨が直接当たらないように表面が非常になめらかな関節軟骨という組織で覆われています。このため、膝が動いたときにもほとんど摩擦が起こさず、骨の端にかかる圧力も分散しています。
さらに、膝関節は関節包(かんせつほう)という袋に包まれ、その内側には滑膜(かつまく)があり、そこからヒアルロン酸という糖分でできた関節液が分泌され、関節軟骨同士が当たらないように関節包の中を満たしています。この関節液は体重がかかったときには力のかかる部分に濃縮して分布し、関節軟骨の間を広げる働きもしています。

膝の痛みを引き起こす主な原因

膝の痛みを起こす原因はさまざまです。

●膝の関節軟骨(かんせつなんこつ)の磨耗や変性<変形性膝関節症>
●股関節や足などほかの運動器障害<身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などにおける障害>の影響を受けている場合<変形性股関節症、O脚、扁平足(へんぺいそく)>
●関節リウマチのような全身の関節の病気
●感染症による関節炎<結核性関節炎など>
●転倒したときなどの膝の骨折、靱帯(じんたい)損傷、半月板(はんげつばん)損傷
●スポーツ障害

肩の仕組み

肩の痛みや肩こりに関係するのは、首と肩です。

首や肩は頭と腕の重さを支えると同時に、頭と腕がスムーズに動くような仕組みになっています。首には7つの頚椎(けいつい)があり、腰椎(ようつい)と同様、それぞれの頚椎の間には椎間板(ついかんばん)があり、クッションの役割をしています。また、頚椎の中には脊髄(せきずい)が通っています。頚椎の前方には肩に向かって鎖骨(さこつ)が張り出し、その先に肩関節があります。

狭い意味で呼ぶ「肩関節」は肩甲上腕(けんこうじょうわん)関節で、背中にある貝殻のような形をした肩甲骨(けんこうこつ)の浅いくぼみに、ほぼ球形の上腕骨(じょうわんこつ)の骨頭(こっとう)がはまっています。肩甲上腕関節はヒトの体で最も運動範囲が広い関節で、また体の真横ではなく、やや前のほうに付いているため、食べる、書くという作業がしやすい仕組みになっています。「肩関節」を広い意味で呼ぶときには、肩甲骨と鎖骨をつなぐ肩鎖(けんさ)関節、鎖骨と胸骨(きょうこつ)の間の胸鎖(きょうさ)関節なども含めます。

02肩の痛み

関節だけでなく、首から肩、背中にかけて三角形についている僧帽筋(そうぼうきん)や僧帽筋の下で肩甲骨を動かす肩甲挙筋(けんこうきょきん)、棘下筋(きょくかきん)、菱形筋(りょうけいきん)など多くの筋肉と腱の働きが、肩や腕をなめらかに動かします。

ふだんの生活の中で、肩や膝に痛みやこりを経験したことのある人も多いのではないでしょうか。腰だけでなく肩や膝もまた、痛みがよく起こりやすい部位です。

肩の痛みを引き起こす主な原因

肩の痛みや肩こりに関係する病気や症状は多彩です。

●腰そのものに起因する場合
•関節周囲の変性や炎症<四十肩・五十肩など>
●肩の周囲の病気・症状<胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)、後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)、頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア、脊髄(せきずい)の炎症やがんなど>
●スポーツ障害<野球肩など>
●目に原因がある場合<眼鏡やコンタクトレンズが合っていない、緑内障(りょくないしょう)、白内障(はくないしょう)など>
●歯やあごに原因がある場合<虫歯、かみ合わせが悪い、顎関節症(がくかんせつしょう)など>
●内臓や全身の病気が関係する場合<頭痛、狭心症(きょうしんしょう)、肺がん、慢性胃炎、胃潰瘍(いかいよう)、十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)、胆石(たんせき)、胆嚢炎(たんのうえん)、肝炎(かんえん)、肝硬変(かんこうへん)、高血圧、糖尿病、関節リウマチ、うつなど)

たかが肩こりだとあなどれません。もともと肩こりを引き起こしやすい体形<頚椎(けいつい)のカーブが緩い、なで肩、首が長いなど>や、姿勢や動作<パソコン作業、運転、編み物などの手作業、荷物が重い、猫背、頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)など>、ストレスや不安、きつい下着や洋服、コートが重いなどの条件が重なると、さらに痛みやこりが増します。
いつもと違う激しい肩の痛みやこりを感じたり、いつまでも痛みやこりが長引く場合は、整形外科の受診をおすすめします。

03腰の痛み

腰の仕組み

骨や筋肉、関節、靱帯(じんたい)、神経が連携し、体を支えています。

腰は上半身と下半身をつなぐ部分で、しなやかで、かつしっかりした構造になっています。

肩の痛みを引き起こす主な原因

首から続く脊椎(せきつい)のうち、腰の部分にある5つの骨を腰椎(ようつい)と呼びます。

腰椎の下には、仙骨(せんこつ)と尾骨(びこつ)があります。腰椎はおなか側の椎体(ついたい)と背中側に飛び出した棘突起(きょくとっき)や関節突起などの突起から成っており、その間を通っている脊柱管(せきちゅうかん)に神経<馬尾(ばび)や神経根(しんけいこん)>が走っています。

椎体と椎体の間には椎間板(ついかんばん)があり、椎体を連結し、動作や運動などによる衝撃を和らげるクッションの役目を果たしています。椎間板の8割は水分で、中心部に髄核(ずいかく)という軟らかい流動体のような部分があり、その周囲の線維輪(せんいりん)という線維の束が中身を守っています。

腰椎を含む脊椎は椎間板や関節突起同士の関節、靱帯によってもつながり、守られています。また、周りの筋肉も腰椎を支えています。そして、脊椎特有のS字カーブを保っているのです。

このように骨、靱帯、筋肉、関節、椎間板が腰を支え、体の動きのなめらかさを保ち、衝撃の吸収を行っているのです。逆にいえば、これらの部分が傷ついたり、変形したりすると腰痛が出ます。

腰の痛み

ふだん意識することはほとんどないのに、痛みがあるととても気になってしまうのが腰です。常に体を支え、動くときの軸になるため、腰痛がひどくなると、どんな姿勢をとっても痛みを感じ、何かをする意欲さえ失われてしまいます。腰は月へん(にくづき)に要と書くように、まさに体の要。痛みがあるときはもちろん、腰の仕組みを知り、姿勢や動作などを意識して、ふだんから大事にしたいものです。

最近、「ロコモティブシンドローム」という概念が提唱され、運動器<身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称>障害のために要介護となることを予防するための合言葉として使われています。「ロコモティブ」とは、移動できる能力のことを言います。骨や関節、筋肉などの機能が衰え、移動や運動が妨げられ、生活に支障が出るような状態を総称して、「ロコモティブシンドローム」と呼びます。

「ロコモティブシンドローム」には、「運動機能低下をきたす疾患」として、骨粗しょう症やそれに伴う圧迫骨折、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)など腰の痛みを伴う症状・病気が挙げられます。

なぜ腰が痛くなる?

首から腰までつながる脊椎(せきつい)はゆるやかなS字カーブを保つことで、頭の重さを支え、運動や動作による衝撃を和らげています。また脊椎の周囲の筋肉や靱帯(じんたい)、腰椎(ようつい)の間の椎間板(ついかんばん)もその役目を果たしています。

ただ、激しい運動や悪い姿勢、長く同じ姿勢を続けたことで骨や筋肉などが疲労したり、変形したりすると腰痛が出ます。加齢や運動不足などで腹筋や背筋といった筋肉が衰えたり、骨や靱帯、関節が変性したりすると、やはり腰が痛み始めます。さらには、内臓の病気やうつなども腰痛を引き起こします。

Internal medicine 内科

01一般内科

一般内科で対象となる症状は、以下のとおりとなります。

咳 熱 鼻水 喉が痛い 頭が痛いなど風邪症状
お腹が痛い 下痢 便秘など腹部症状
体や手足の冷え むくみ 背中や胸が痛い 疲れやすい 口渇がある
残尿感がある 頻尿など

何かの疾患の兆候として現れている症状なのかどうか心配に思われることがありましたら、お気軽にご相談ください。たなかクリニックでは、様々な病気の予防や検査、ワクチン接種を行っております。

02生活習慣病や動脈硬化関連疾患の診断治療

高血圧 糖尿病(インスリン治療も含む)脂質異常症など生活習慣病や動脈硬化関連疾患の診断治療

高血圧

高血圧とは血圧が高い状態が続いてしまう病気です。ですが、あまりひどい場合でなければ、目立った症状は出てきません。
多くの場合はっきりとした原因はわからず、本人が気づかぬうちに心臓や血管にダメージを与えていって合併症を引き起こしてしまいます。
その性質のため「サイレントキラー」と呼ばれています。

こんな症状ありませんか?

頭痛がする
めまいがする
耳鳴りがする
動悸がある
血圧が高い
肩こりがする など

はっきりとした自覚症状がない高血圧症ですが、以上の症状がある場合、高血圧を疑います。
ご自分が高血圧かどうかを把握するためには自分の血圧を常日頃把握しておくことがとても大事になってきます。
高血圧の基準値は日本の『高血圧治療ガイドライン』に示されおり、140/90mmHg以上だと高血圧と言われています。

併発する症例

脳梗塞
脳出血
動脈硬化
心臓病 など
もしご自分が高血圧かと思われる場合は他の合併症も疑われるため、一度ご相談下さい。

生活習慣病

生活習慣病は、糖尿病・脳卒中・心臓病・高血圧など、毎日の良くない生活習慣の積み重ねが発症原因に深く関与していると考えられている疾患の総称です。

生活習慣病は、遺伝的な要因もありますが、生活習慣を見直すことで予防・改善につながります。食生活においてはファーストフードや食品添加物の多い食物を避けてできるだけ手作りで栄養の偏りがないように3食しっかり食べることであったり、喫煙・飲酒を控えたり、適度な運動をすることなどです。
現状、日本人の3分の2近くが生活習慣病で亡くなっています。
その原因が生活習慣であるために早めに生活週間の見直し・改善していくことがとても重要になってきます。
当院では生活習慣病の予防・管理などを行っています。
気になる方は一度ご相談下さい。
レントゲン検査 心電図検査 超音波検査 血液検査などを行い、内服治療を行います。
状況によりさらなる精査のため専門機関に紹介させていただく場合があります。

アレルギー性疾患

花粉症などアレルギーでお困りの方へ

当院では花粉症外来を行っております。
鼻水やくしゃみや目のかゆみといった症状に対して、内服薬はもちろんのこと、点眼薬・点鼻薬の処方も行っております。
また、漢方薬による治療も行っております。

花粉症は春先に多い「スギ」「ヒノキ」によるアレルギー性鼻炎結膜炎が有名ですが、それ以外の季節にも原因物質(アレルゲン)によって発症しているかたも少なくありません。
風邪が長引いていると思われているかたのなかには実は花粉症だったというかたも多くみえます。
また、アレルギー素因をもっているかたは「アトピー性皮膚炎」「気管支喘息」をもっていることもあり、精査をおすすめいたします。

当院では採血でのアレルギー検査も行っております。
アレルギー検査では、「食物系」「植物系」「動物系」「ハウスダスト」などの項目を検査することができます。
また、アレルギーの原因として気になるものについて、その抗体があるかないかを1つ1つ調べることができますので、症状の出る季節や場面などをお知らせください。
1週間程後に再度ご受診いただいて検査結果をご説明します。

アレルギー性鼻炎(花粉症)の患者さんは、その原因となる植物によって「発症する時期」「症状」「経過」が違います。 お薬の種類も多くあり、眠くなるが比較的即効性が期待できるものから、1日1回の服用で眠気はほとんど感じないものまでいろいろあります。

また個人差もあり、同じ薬でも効果がよく出る方とそれほどでもない方がいます。あなたの体質やライフスタイルにあったお薬を探すことが大切となります。 症状やその程度にあわせて、あなたにとってベストのお薬の組み合わせを検討します。 もし、以前に服用されたことのあるお薬がお分かりなら、お知らせください。そして、効果を感じたか、眠気はどうだったかなどを確認しながら、お薬を相談して決めていきます。

また、「花粉症」と既に診断されている方は、花粉が飛び散る時期より少し前からお薬を服用することで、症状を抑えることができます。花粉が飛び始める前までに花粉をブロックできるように、早期の受診をおすすめします。

呼吸器疾患

肺炎 気管支炎 気管支喘息 肺気腫(在宅酸素療法も含む)など呼吸器疾患
症状としては咳 痰 発熱 息切れ等 ヒュウヒュウといった喘鳴などです。
レントゲン検査 血液検査 酸素飽和度などを測定し、内服治療や吸入治療 点滴治療 在宅酸素療法などを行います。

内分泌疾患

甲状腺機能異常症など内分泌疾患

甲状腺は首の付け根(のど仏の下)にある、正常で15g程度の小さな臓器です。
ここで分泌される甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を亢進させる働きがあります。
このホルモンが過剰に分泌されると、いらいらしたり汗をかいたり、動悸や体重減少などの症状が出現します。
またホルモンの分泌が少ないとむくみ、便秘、寒がりなどの症状が出現します。
このような症状が気になる方はお気軽にご相談ください。

Rheumatology リウマチ科

03関節リウマチ

関節リウマチに悩む患者さんは、日本国内で70万人以上ともいわれています。男女比が1:4と圧倒的に女性に多い傾向があります。発症年齢は30~50代に多いことがわかっています。関節リウマチの原因は、完全に解明されたわけではありませんが、何らかの原因で免疫異常が生じ、自分の身体を異物とみなして抗体を作り、自らを攻撃することとされています。そのトリガーには、現在のところウィルス感染と免疫の異常が関わっていると指摘されています。

関節リウマチの診断基準

リウマチ学会の関節リウマチの診断基準は、以下の表の通りになります。これらの診断基準を満たさない初期の関節リウマチの診断基準も策定され、初期の関節リウマチを見分ける血液検査も含め、初期の病態でも正確な診断が出来るようになってきています。

関節リウマチの症状

関節リウマチの典型的な症状は、左右対称に腫れて痛むことです。また、朝のこわばりが認められます。他にも皮下結節やドライアイ、血管炎などの全身症状を合併する場合もあります。これらの症状の改善に、決定的な根治療法がみつかっていません。ですから、早く見つけて変形の進む前に病気の進行をコントロールすることが大事なのです。

関節リウマチにおける関節破壊のイメージ

1

関節を山肌にたとえ、リウマチの炎症の度合いを炎にたとえると…関節破壊が進んでいない初期は「山肌は維持」されています。
しかし、関節滑膜における炎症が強く、「炎が着いている」ので消火剤(抗リウマチ薬)が必要になります。

2

早期発見、早期治療を行うと炎の勢い(関節滑膜における炎症)が小さくなりました。このため山肌の木は残っています。(早めの治療で関節破壊を進行させない事が目標になります。)

3

リウマチのコントロールが難しかったり治療開始が遅れたりし早期治療が順調に進まないときには、炎(関節における炎症)がなかなか落ち着かず、山肌の木々が焼けてしまいます。
(この状態が続いてしまうと、不可逆的な関節破壊が進行してしまいます。)

4

治療の時期を逸してしまった場合、抗リウマチ薬などによる治療で炎(関節における炎症)は消えましたが、山肌の木が燃えてしまっています。
(リウマチのコントロールが良くなっても、関節破壊としての痛みが残ってしまう結末となります。)

すなわち、関節炎の治療が進んで炎症が軽減されても、関節破壊が進んでしまうと、人工関節などの外科的な治療を要する状況になってしまいます。
この状況を防ぐために、初期治療でリウマチの勢いを抑えていく事が重要になり、近年、早期発見と早期治療が重要視されてきます。

リウマチの治療目標

リウマチの目標は、火が消えて関節破壊が進行しない状況(寛解状態)にもっていくことです。以前は、関節破壊も年月をかけて徐々に進むとされており、徐々に抗リウマチ薬(DMARD)を使用していく治療法が選択されてきました。しかし、近年、関節破壊は罹患初期の2~3年に急速に進行することがわかり、リウマチの早期加療の重要性が指摘されるようになりました。

関節リウマチにおいては、いち早く病気をみつけて治療を始めることが、病気の進行を遅らせる最善の手段とされ、骨破壊の抑制が最大の治療目標になり、Window of opportunity=(この時期に関節リウマチを抑制すれば、来るべき関節破壊の進行を少なくしたり、留めることが出来る時期)が存在すると言われています。この時期が発症初期と言えるため、治療に反応しやすい発症初期における治療の重要性が指摘されています。効果の高いMTX(リウマトレックス)をアンカードラッグ(要の薬剤)として、副作用をモニタリングしながら、効果的な治療を発症初期から取り入れる方法が主流になってきています。

アメリカリウマチ学会の診断基準(ARAの診断基準)

1987年にアメリカリウマチ学会によって提唱された診断基準です。

01 朝のこわばりが、少なくとも1時間以上にわたってみられる。

02 3つ以上の関節に炎症による腫脹がみられる。

03 手指の付け根の関節、手指の第2関節に炎症による腫脹がみられる。

04 左右対称の関節に炎症による腫脹がみられる。

05 皮下結節(リウマトイド結節)が肘や膝にみられる。

06 血液検査でリウマチ因子が陽性である。

07 レントゲン検査で、手の関節に骨の萎縮などの変化がみられる。

上記の7項目のうち、4項目以上にあてはまる場合を関節リウマチと診断するとされています。

日本リウマチ学会の早期関節リウマチの診断基準

01 1つ以上の関節で、圧痛や動かしたりすると痛みを感じる。

02 2つ以上の関節に炎症による腫脹が認められる。

03 朝のこわばりを認める。

04 リウマトイド結節が肘や膝に認められる。

05 血液検査で血沈に異常がみられる、あるいはCRPが陽性である。

06 血液検査でリウマトイド因子が陽性である。

早期関節リウマチの診断基準として、以上の6項目のうち、3項目以上にあてはまる場合を早期関節リウマチとして、病態に応じて適切な治療が必要であるとしています。

生物学的製剤

関節リウマチの治療が、ここ数年大きく変化してきています。従来の飲み薬を中心にした治療法に加え、新しく発売されたTNF阻害薬を組み合わせることで、より高い有用性が得られるようになりました。新しいTNF阻害薬は、点滴や皮下注射でおこなわれ、その効果は、「痛み」や「腫れ」をやわらげるだけでなく、「関節破壊」の進行を著明に抑えることが出来るようになりました。また、これまでの治療では、治療がうまくいかない場合に平均寿命も一般人口の平均値と比較して短いと言われていましたが、これを延長させるというデータも出始めています。

期待される効果

関節リウマチは、免疫の異常から関節内に大量の炎症を引き起こす物質が蓄積して、それが軟骨や骨を破壊している事がわかってきました。中でも、TNFαとIL-6が重要になり、TNF阻害薬(エンブレルやレミケード)は、そのTNFαに結合して、TNFαの悪い働きを止める薬です。このことが、関節リウマチの病状を飛躍的に改善したと言えます。

01 関節の腫れや痛みをやわらげる(ひいては、ステロイドの内服量を減らすことにつながります)

02 関節破壊の進行を食い止めます(炎症関節における破骨細胞を抑制します)

03 生活動作の障害を軽減します(歩行や日常生活動作を改善する事により、ADLの改善が期待できます)

04 これらの結果として、ステロイドやNSAIDなど、長期服用での副作用が懸念される投薬量を減らせる可能性もあります)

日常生活の注意点

この生物学的製剤には、免疫の働きを抑えて関節の炎症を食い止めるものです。したがって、感染症にかかりやすくなる可能性があります。また、リウマトレックスの内服では間質性肺炎などの副作用があり、「咳」や「熱」などの症状が続いた時や、何か心配な症状があったときは、速やかに御相談ください。早急に感染症についての診察及び検査をします。これらの生物学的製剤のリウマチ患者さんに対する使用率はアメリカが約4割と諸外国においては一番多く、ドイツ、フランスが約3割と並びます。入院を要する重度の感染症の頻度は、他のリウマチ薬と大きく変わらないとの報告もありますが、日本においては結核などの再発にも注意しなくてはならない点もあり、注意するに越したことはありません。咳や熱など、風邪症状を生じたときに、すぐに相談できる環境が重要になります。また、重篤な副作用を生じた際は、関連施設をご紹介する事が可能です。

費用について

所属健保の種類や年齢、障害者手帳の有無などによって異なります。また、区市町村によって医療費の補助などの違いがあります。お気軽に御相談ください。

Dermatology 皮膚科

一般皮膚科

保険診療を行なっております。保険証をお持ちください。

掌蹠膿疱疹   アトピー性皮膚炎   帯状疱疹(ヘルペス) 接触皮膚炎   かゆみ   水虫   水いぼ   いぼ   じんましん   円形脱毛   手あれ・爪のトラブル   日焼けのトラブル  とび  やけど・水泡 うおのめ  ニキビ  ほくろ  その他 

栄養療法

アレルギー性疾患については、炎症体質の改善なども目的とした栄養療法も行っております。
喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、ニキビなども、お気軽に御相談ください。